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VNRとは?

執筆者の写真: japanyouthplatformjapanyouthplatform

更新日:28 分前

2025年度VNRに対するパブリックコメントの募集が3月19日より始まりました!


 皆さんはVNRという言葉を聞いたことがありますか?


 VNRとはVoluntary National Reviewの略であり、自発的国家レビューのことです。


 実は、よく知られているSDGsと密接な関係があるんです。今回は、そんなVNRについて解説していきます!


 まず、簡単にSDGsについて説明していきます。2015年に国連で「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(2030アジェンダ)」が採択されました。その2030アジェンダを達成するための世界共通の目標がSDGsです。そして、2030アジェンダにおいては、国連に加盟しているすべての国が、自国でSDGsがどれだけ進められているかを評価し、報告する仕組みが決められています。この仕組みのことをVNRといいます。VNRは各国の任意参加であり、毎年行われているものでもありません。


 各国で実施したVNRの結果は、国連で開催されるHigh-Level Political Forum (HLPF)にて、報告されます。2025年には日本・インド・フィンランド・スーダンなどを含む39か国(アジア太平洋(AP)諸国:10カ国、北東アジア(NEA)諸国:日本のみ)の政府がVNRを実施する予定です。日本はこれまで2017年と2021年にVNRを実施しており、3回目となるVNRを今年、2025年に実施します。
























 VNRは2030アジェンダの実施を加速させることを目的として、成功、課題、学びを含めた経験の共有を促進しています。さらに、VNRを行うことにより政府の政策や制度を強化するとともに、SDGsの推進に向けて多様なステークホルダーの支援とパートナーシップの動員に貢献することを目指しています。


 日本の場合VNRは、SDGs推進本部(政府)とSDGs推進円卓会議(民間含む)が中心となって執筆しており、次世代を担うユースに関するトピックも含まれています。さらに、パブリック・コメント(以下パブコメ)などを通じて多くの市民からの意見も募集しています。パブコメは、政府や自治体が新しい政策や法案、計画を決定する前に、広く国民から意見を募集する仕組みです。公正で民主的な政策決定を行うために重要な手続きとされています。私たちもパブコメを通じて意見を反映させることができます。


\JYPSインスタにて解説中/


VNRってなに?


イラストや写真を用いて簡潔に説明しています。シェアする際は是非こちらもご活用ください!


 また、前述した2030アジェンダでは、地方自治体を含めた主要なグループやステークホルダーに貢献度を報告するように呼びかけています。それに基づき、SDGsの達成状況に関してVLRs(Voluntary Local Reviews)と呼ばれる自発的自治体レビューが行われています。VLRsは公式な地位を有してはいませんが、VLRsに従事している団体だけでなくSDGsの推進自体にも様々な利益があります。2024年には世界の40の地方自治体がVLRsを発表しました。

 

 そして、日本ではこれまで東京都や横浜市といった全国で7つの地方自治体(佐渡市、東京、横浜市、富山市、北九州市、下川町、豊田市)がVLRを発表してきました。また、一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)が「SDGsスポットライトレポート」を発表しています。CSO(市民社会組織)・NGO(非政府組織)・NPO(非営利組織)の視点から日本国内のSDGs17目標とターゲットの達成度の評価と市民社会の取り組み、そして提言が述べられています。JYPSはこのスポットライトレポートにおいて、ユースユニットとしての取り組みを紹介し提言しています。市民社会がVNRに関与することにより、最も「取り残された」人びとの立場から日本のSDGsに対する評価を反映させるとともに、作成プロセスにおける透明性と説明責任を確保することができます。


 さらに若者の視点を反映させるVYR(Voluntary Youth Review)という自発的ユースレビューも重要視されています。2023年には、アイルランドの United Nations Youth Delegate を中心に VYR が実施されました。同年に発表されたVNRの第5章には、このVYRが掲載されています。他国のVNRにおいても、ユースの取り組みが記載される例はありますが、アイルランドのVNRでは、第5章がユースによる 「Stand Alone Chapter」 となっている点が特徴的です。「Stand Alone Chapter」 とは、外部の関係者や機関による編集が一切加えられていないことを意味し、ユースが執筆した文章がそのまま掲載されていることを示します。

 

 JYPSでは、「新時代のパイオニア」プロジェクトと題して2025年のVNRに先駆け独自のVYRを発表するために、日本の若者の声や状況の調査を行いました。SDGsの17目標を基に「格差・貧困・ジェンダー」「教育・ウェルビーイング」「環境・気候・生物多様性」「ユース参画」の4つのテーマに絞り、アンケート、インタビュー、ディスカッションイベントを実施しました。それらの結果をまとめた調査報告書を作成しました。報告書はこちらからご覧いただけます。


\「新時代のパイオニア」プロジェクト/

より詳細な活動内容についてはこちらの特設サイトをご覧ください!
より詳細な活動内容についてはこちらの特設サイトをご覧ください!

2025年3月19日より、e-Gov(イーガブ)にて2025年のVNR案が公開され、パブコメの募集が始まっています!こちらのリンクより、VNR案を確認の上、ぜひパブコメを提出してみてください!



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・パブコメとは:                ・パブコメの出し方解説動画:





















参考文献


一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク, SDGsジャパン SDGsスポットライトレポート2025,(最終閲覧日2025年3月9日), https://d7b557ca-e496-4292-be6d-a6bfb1e38152.usrfiles.com/ugd/d7b557_7de51b4ccc484f36b0ec8182159fb4fc.pdf


外務省, JAPAN SDGs Action Platform, 日本政府の取組,(最終閲覧日2025年3月9日), https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/effort/index.html


日本はSDGsをどれぐらい達成できているの?自発的国家レビュー(VNR: Voluntary National Review)とは(2025.01.22), https://asuno-compass.savechildren.or.jp/issues/2025-01-22-2329/


United Nations, SDG Localization and the Voluntary Local Reviews,(最終閲覧日2025年3月9日), https://sdgs.un.org/topics/voluntary-local-reviews


United Nations, Voluntary National Reviews,(最終閲覧日2025年3月9日), https://hlpf.un.org/vnrs


e-gov パブリック・コメント, パブリック・コメント制度について, (最終閲覧日2025年3月13日), https://public-comment.e-gov.go.jp/contents/about-public-comment

 
 
 

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